人と自然の調和をたっぷり味わうホイアン・チャム島で過ごす1日

クアンナム(Quang Nam)省ホイアン(Hoi An)市タンヒエップ(Tan Hiep)村の管理下にあるチャム島(Cu Lao Cham)は、1つの本島と8つの小島からなる諸島です。手つかずの美しさは国内外の観光客を魅了し、1年を通して多くの人が訪れます。今回は、諸島の中で最も人口が多い最大の島、ホンラオ(Hon Lao)島を探検してきました。

目次

クアンナム省本土からボートで約20分
ベトナム中部の海に浮かぶ、穴場の離島

チャム島は、クアンナム省本土から約15km離れたところにあります。諸島全体の面積は約15km²で、約人が居住しています。島内は「プラスチックごみゼロ」を目標に取り組んでおり、使い捨てプラスチックの使用を禁止しているのが特徴です。

 2009年にユネスコ(UNESCO)の生物圏保存地域に指定されたチャム島には、何百種類もの魚類やサンゴ礁などの海洋生物、そして多くの希少な哺乳類、爬虫類、鳥類、植物が生息しています。
豊かな生態系に加え、チャム島にはサーフイン(Sa Huynh)、チャンパ(Cham Pa)、ダイベト(Dai Viet)などの古代文明や、本土との交流を示す遺物も残っています。また、シルクロードを海路で旅する国際貿易商の船着場でもあり、考古学的調査によると、3000年以上前から人が居住していたことがわかっています。

ホンラオ島への行き方

 ホンラオ島へは、スピードボートを利用するのが一般的。ホイアン旧市街から約8km離れたクアダイ観光湾から出航し、所要時間は約20分。乗船券は当日購入が可能ですが、事前にクーラオシン(Cu Lao Sinh/電:098-222-1846)社やズンヒエウ(Dung Hieu/電:090-640-2442)社などの旅行会社で予約するか、宿泊先に予約してもらうのがおすすめです。
 スピードボートの乗船券は往復40万VNDで、これには入島料7万VNDと環境保護費3万VNDが含まれています。
クアダイ観光湾/Cang Du Lich Cua Dai
住: Au Co, Cua Dai, Hoi An

クアダイ観光湾で乗船

 出航30分前までにクアダイ観光湾に到着し、係員の案内に従って乗船手続きを行います。クアダイ観光湾からは、毎日8:30発と14:00発のスピードボートが運航されています。

各社のブースで乗船券の購入や 、予約済みの乗船券の支払いができる

荷物を持ってスピードボートに乗船

昼はバイクタクシーでホンラオ島めぐり
訪れるべき定番スポットをチェック!

今回は14時出航のスピードボートに乗って到着。島内の道路は狭くカーブが多いため、バイク運転に慣れていない人は運転手付きのバイク(1時間約12万VND)をレンタルし案内してもらいましょう。

ホンラオ島に到着!

午後の船旅は午前中より揺れることがあります。風を切って進む感覚は爽快ですが、船酔いしやすい人はボートの後部座席に乗るのがおすすめです。

スピードボートの速さは約40km/h。
全席にライフジャケットが用意されている
船を降りるバイラン(Bai Lang)ビーチでは、宿泊先が手配したバイクタクシーが迎えにきてくれる

ヘリポート/Bai Dap Truc Thang

住宅街から少し離れた丘の上にあるヘリポートからは、広々とした白い砂浜と500m以上の海岸線を持つバイオン(Bai Ong)ビーチを見渡せます。元は軍事目的で建設されており、緊急時に本土から必要な品物を運ぶヘリコプターの発着場にもなっています。

ハイタン寺院/Chua Hai Tang

 建設は1758年ですが、大嵐で被害を受けたため1848年に現在の場所へと移転しました。仏陀と神々を祀り、地元の漁師たちが祈りを捧げに訪れる人気の場所です。背後には山があり、その山はチャム島唯一の田んぼがある小さな谷と面しています。

赤い梧桐通り/Duong Hoa Ngo Dong Do

 バイランとバイセップ(Bai Xep)ビーチを結ぶ道路の両側に並ぶ梧桐の木々は、7月から8月が満開のシーズンです。遠くから山の斜面を見上げると、鮮やかな赤に染まっているのが見えます。梧桐の木の皮はハンモックの糸にも使われます。

バイセップビーチ/Bai Xep

 道路から階段を降りるとビーチがあります。手つかずの自然が残っており、周辺
は住宅や売店などがないため、地元民が集まるバイオンやバイフオン(Bai Huong)より静かで落ち着いています。海水浴も楽しめます。

日が沈んだら浜辺でまったり
潮風を感じながら夜まで海を眺める

島の人々は、朝早くから仕事が始められるように早めに就寝することが多く、夜のアクティビティはそれほどありません。その分、日が沈むと穏やかでゆったりとした時間を過ごすことができます。

海の夕日鑑賞

 ベトナムの海岸線はほとんどが東向きのため、本土からは海に沈む夕日を眺められる場所は多くありませんが、ホンラオ島の南に位置するバイフオンビーチの桟橋は、海と夕日が織りなす幻想的な絶景を満喫できます。

夏の定番、海辺バーベキュー

 日が暮れると、バーベキューを用意してくれる宿泊先もあります。ウニ、イカ、貝、魚などの新鮮なシーフードのほか、野菜、鶏肉、豚肉なども種類が豊富。気持ちよく泳いだ後に大満足のディナーを堪能できます。

食後の夜散歩

 ホンラオ島は2016年ごろに電気が通るようになり、観光客は夜でも外を歩き回れるようになりました。夕食後はビーチ沿いを散歩したりハンモックでくつろいだり、涼しい潮風を感じながら元気をたっぷりともらえます。

オーシャンビューの民宿おすすめ2選

チャム島にはホテルがなく 、 宿泊希望者は島で民泊する必要があります。
海を眺めながらバーベキューを楽しめるホームステイ先を紹介します。

ゴーカインホームステイ/ Ngo Khanh Homestay

 バイフオンビーチからわずか数歩のところにある民宿。サップやシュノーケリングのウォータースポーツ施設を備え、種類が豊富なシーフードバーベキューも提供。参考価格は「バルコニー付きシービューのダブルルーム/Double Room with Balcony and Sea View」で1部屋1泊55万VNDなど。
住: Bai Huong, Tan Hiep, Hoi An
電: 096-977-2426

モンキーホームステイ&バー/Monkey Homestay & Bar

 船着場やタンヒエップ市場がある住宅街に位置。海辺でカクテルやココナッツコーヒーが楽しめ、同オーナーが経営する隣のレストランでシーフード料理を堪能できます。参考価格は4人用の「シービューのファミリールーム/Family Room with Sea View」で1部屋1泊69万VNDなど。
住: Bai Lang, Tan Hiep, Hoi An
電: 098-576-3864

早朝は活気にあふれる漁村へ
垣間見られる島民の日常生活

島が最も活気づくのは朝。漁師が海岸に集まったり、観光客が海水浴に出かけたりする光景が見られます。朝の日差しはそれほど強くなく、さまざまなアクティビティに好都合です。

1日のスタートは朝ごはんから

 バイフオンの路地裏を進むと、豚肉と魚の練り物入りのブン(Bun/米粉の麵料理)の看板のない店があります。地元の人が多く集まり、7時過ぎに訪れると豚足が売り切れている可能性が高いです。その後、海辺で冷たいコーヒーをいただきます。

SUPボートに挑戦

 宿泊先によっては、SUPボート (1人20万VND)の漕ぎ方を教えてくれるため、初心者でも安心です。日焼け対策のほか、水中で写真撮影できる防水スマホケースがあると便利です。ボートからは、透明度の高い水面下にサンゴ礁や小さな魚の群れが見られます。

島民ウォッチング

自然の中に身を置き自然と一緒に生きているチャム島の島民たちは、主に漁業や農業を営んでいます。エネルギーに満ちあふれており、観光客の問いかけにはいつも気さくな様子で答えてくれます。

小舟、バケツ、網かごなど、魚捕りの道具はいろいろ

獲れたての蟹で、早速売り買いを開始

釣った魚を岸壁で洗い 、下処理を行う
山の葉を天日で乾燥させて茶葉を作る
漁師たちが網を繕う姿は、 漁村でよく見られる光景

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