もう すぐハノ イ 市ドンアイ ン区が誕生県から区へ、昇格の歴史をたどる

2023年7月、ハノイ市郊外のドンアイン(Dong Anh)県を区へ昇格させる方針を承認する決議が可決されました。今号では、ベトナムの行政区画の編成、そして区になる前のドンアイン県の様子について詳しく見てみましょう。

目次

なぜ県から区への昇格が必要?
ハノイ市の行政区画の編成を知ろう

ハノイ市内の住所を見ると、都市の中に区(クアン/ Quan)や県(フエン/ Huyen)、区の中に坊(フオン/Phuong)がよく出てきます。具体的にどのような編成になっているか、まずはベトナムの基本的な行政区画を以下の図で紹介します。

ハノイ市の行政区画について

●各行政単位の違い

 ハノイ市管轄下の県レベル行政単位は、区、県、市社の3つに分かれています。
•区/Quận → 中央直轄都市の中にある都市行政単位
•市社/Thị Xã → 中央直轄都市や省の管轄下にある都市行政単位
•県/Huyện → 農村地域である郊外部の農村行政単位
 面積約3359km²、人口約850万人の首都ハノイ市は、ベトナムで最も面積が大きい中央直轄都市であり、63の省レベル行政単位の中で2番目に人口の多い都市です。行政区画の変更を繰り返し、2024年4月現在、ハノイ市は12区、17県、1市社の計30の県レベル行政単位から構成されています。

●編成変更の経緯

 2016年5月、ベトナム国会常務委員会が発表した「行政単位の標準及び行政単位の分類に関する決議」によると、中央直轄都市は、都市行政単位である区と市社の割合が全体の60%以上(農村行政単位である県の割合が40%以下)であることが必要だと定義しています。しかし2024年4月現在のハノイ市は、その区と市社の比率が43%にしか達しておらず、少なくともあと4つの区が必要になっている状態です。
 そういった背景もあり、2021年2月24日に発行されたベトナム首相の決定によると、2021年から2030年までの全国都市分類計画において、ハノイ市は今後、ホイドゥック(Hoai Duc)、ザーラム(Gia Lam)、タインチー(Thanh Tri)、ダンフオン(Dan Phuong)、そして今回紹介するドンアイン(Dong Anh)の5県が区へと昇格されることが発表されました。

郊外県から都市区へ歴史豊かなドンアインの地

2023年7月4日に開催された第12回会議において、ハノイ市人民評議会は、ドンアイン区とその管轄坊の設置方針す承認しました。区への昇格は、投資誘致を増加させ、地方の可能性をよりよく開拓するなど、地方に有利な条件を作り出すと期待されています。


 ドンアインという地名は1876年から登場しています。1901年、インドシナ総督はフーロー(Phu Lo)省を設立することを決定し、ドンアインはフーロー省の一県となりました。1904年、フーロー省はフックイエン(Phuc Yen)省に改称され、1950年、ヴィンイエン(Vinh Yen)と合併された結果、ヴィンフック(Vinh Phuc)省となりました。1961年、ベトナム政府によりハノイ首都の行政単位を再編することが決定し、それに伴いドンアイン県はハノイ市郊外の一県となり、現在に至っています。 ドンアイン県の自然面積は185km²、人口は40万人以上、24の社と市鎮から構成されています。ハノイ市中心部とタイグエン(Thai Nguyen)省、ラオカイ(Lao Cai)省を結ぶ2本の鉄道など、県内には多くの重要な交通路が通っています。特に、ノイバイ国際空港からわずか13kmの距離にあり、社会経済発展のあらゆる面で多くの優位性を持っているとされています。

2023年 に 落 成 した、3000億VND以上が投資された県の文
化 ホ ー ル。ド ン ソン(Dong Son /東山)銅鼓を模し、同県の象徴的な建物となっている

ドンアイン県の街の様子。道路は広く、整然としており、繁華街の通りはハノイ中心地と似たような雰囲気が漂う

県の政治教育センターや人民委員会本部など、各行政機関の本部は広々としてお
り、十分に整備されている

ドンアインの区昇格への状況
 ハノイ市党委によると、ドンアイン県は現在までに区に昇格するための31の基準のうち29を満たしています。未達成の2つの基準は、➀国家基準を満たす高等学校の数、➁文明化された都市道路の比率であり、近い将来、早急に実行を進める予定です。

さらなる成長と発展を目指して
都市化に向けたドンアインの今後の展開


ハノイ市の郊外県に比べ、ドンアインは都市化率の高い地区と言え、その様相は年々明らかに変化しています。大規模な交通インフラや不動産投資プロジェクトが次々と実施され、活気に満ちた地域になっています。

環状3号線の様子 © Tạp chí Công Thương

環状3号線
Duong Vanh Dai 3

 ドンアイン県を通る環状3号線プロジェクトは、2023年7月に投資政策が承認されました。同県を通る区間は全長約14.9kmで、起点はハノイ=タイグエン高速道路の交差点に位置し、終点はヴォーヴァンキエット(Vo Van Kiet)通りと交差します。投資資金は、ハノイ市予算2兆7110億VNDとドンアイン県予算2兆7110億VNDから充当されます。

北ハノイ・スマートシティ
Thanh Pho Thong Minh Bac Ha Noi

 住友グループとベトナムのBRGグループが共同で投資した面積272haのプロジェクト。総投資額は約42億USD(100兆VND以上に相当)です。2028年に完成する見込みで、高級アパートメントや商店の複合施設が建設され、エネルギー、交通、管理、教育、経済、生活におけるスマートなソリューションを提供することが期待されています。

北ハノイ・スマートシティのイメージ図 ©BRG Group
ナショナルエキジビションフェアセンターのイメージ図
©Tạp chí Công Thương

ナショナルエキジビションフェアセンター&ビンホームズコーロア
Trung Tam Hoi Cho Trien Lam Quoc Gia & Vinhomes Co Loa

 ビン(Vin)グループが投資した大規模プロジェクト。ナショナルエキジビションフェアセンターの面積は90ha、ビンホームズコーロアの面積は295haで、国家レベルの展示センターに加え、ヴィラ、商店、アパートメント、高級ホテル、オフィスビルなどが建設される予定です。

トゥーリエン橋
Cau Tu Lien

 2030年までの交通計画に従った紅河に架かる10本の橋のうち、最長の橋であるトゥーリエン橋。予想される範囲は、起点がギータム(Nghi Tam)通り、終点が国道5号線の交差点で、総直線距離は約4.8kmです。ハノイ中心部からノイバイ国際空港までを結び、ハノイと以北の他の省にとってインフラ、不動産、商業の発展機会をもたらすと期待されています。

トゥーリエン橋のイメージ図 ©Tạp chí Công Thương
サンワールドキムクイのイメージ図 ©Sun Group

サンワールドキムクイ
Sun World Kim Quy

 ヴィンゴック(Vinh Ngoc)社に位置するハノイ最大の遊園地。サン(Sun)グループが投資し、面積は101haで、第1段階の投資総額は約4兆6000億VNDです。コーロア城の独特な文化的特徴と、ユニバーサルスタジオやディズニーランドの現代的なモデルを融合
するように設計されています。

2000年以上の歴史を誇る最も古い首都コーロア城の遺跡

ドンアインといえば、ベトナム最大の古代城塞でもあるコーロア城が最も有名な観光地です。古代ベトナム人の独創性、技術力、そして文化の証である重要な遺産だけでなく、観光客にとっても魅力的な目的地になっています。

コーロア城の伝説

 伝説によると、キムクイ(Kim Quy/金亀)神はアンズオン(An Duong)王が白い雄鶏の悪霊を倒し、コーロア城を築くのを助け、魔法の弩を作るために自分の爪を王に与えたと伝えられています。ナムヴィエット(Nam Viet/南越)国のチョントゥイ(Trong Thuy/仲始)王子は、アンズオン王の娘であるミーチャウ(My Chau/媚珠)王女の愛情につけこんで魔法の弩を盗み、オーラック国の軍隊を陥落させ、アンズオン王朝時代を終わらせました。

 コーロア城は、紀元前3世紀にアンズオン(An Duong/安陽)王がオーヴィエット(Au Viet/甌越)国とラックヴィエット(Lac Viet/駱越)国を統一し、オーラック(Au Lac/甌駱)国を建国した後に建設されたと伝えられます。
 かつて9つの同心円状の層から成っており、そのため「古螺」と呼ばれるようになりました。500haの面積を持ち、時代と戦争の荒廃のため、古代の名残をとどめるのは、内側の城塞、中間の城壁、外側の城壁の3層だけです。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

  • URLをコピーしました!
目次