バイクの免許試験でツッコんだ話

教習所に通う必要なし
ベトナムのバイク試験で最もポピュラー
なA1免許は、教習所に通う必要がありま
せん。正確には強制されていないといっ
たところになります。なので学科も実技も
基本自力で、ということになるわけですが、
学科は200問の全問題中25問が試験とし
て出され、実技は八の字やジグザグ道路
などを走行することによって行われます。
教官からすると、「学科は一言一句全く同
じ問題が出題されるからしっかり丸暗記
しとけ」、「実技は誰か運転できる人に習
えるならそれでよし」みたいなスタンス
です。
試験を通してツッコんだこと
日本でも運転免許を取得している私か
らすると、試験を通じて心の中で色々ツッ
コむことが出てきます。以下でその中の３
つを紹介します。

・バイクで試験会場へ参上
受験者はこれからバイクの免許を取
るはずですが、皆さんバイクに乗って会
場にやってきます。もちろん教官もこのこ
とは知っていますがスルー。話によると
「免許を交付するのは交通局で、違反を
取り締まる警察とは管轄が違うことから
我関せず」だそうです。
・試験前の試験官によるテクニック伝授
学科試験そのものは厳正に行われる
ので、カンニングなどといった余地はあ
りません。一方、試験前に試験官から解
答のテクニック的な話が会場でされます。
というのも、学科試験は教本に記載され
ている問題と一言一句同じものが出題
されるので、解答の選択肢によっては問
題を読まなくても解ける問題が結構あり
ます。なので「選択肢に(không được)があ
ればそれが答えだから、無条件でそれを
選んどけ」みたいなことをいくつか告げ

られるわけです。交通ルールの理解とい
った本来の主旨はどうでもいいように思
われます。
・不合格者にドライ
試験に 落ちた人に対してドライです。
まあ合格しても「おめでとう」なんてこと
はなく、淡々と交付手続きの処理をされ
るだけですが、不合格者に対しては「は
い、あんたダメ。出直してこい」みたいな
扱いです。実技試験でその場で不合格を
言い渡され、キレて即行帰っていく人も
見られました。（そして慣れた手つきでバ
イクに乗って去っていくという…）
　現在も無免許でバイクに乗っているベ
トナム人は相当数いますが、近年はその
辺りの取り締まりが厳しくなっていること
もあり、改めて免許を取得しにきている
年配の方もいました。既に長年無免許運
転をしていたわけですから、運転テクニ
ックも見事なものです。