この記事の目次
【ベトナム文化】お店や家に置く仏壇の正しい祀り方?徹底解説<店舗運営者必見>
どうも!人生ユタカです。
本日は「ベトナム文化」についてご紹介したいと思います。
よくベトナムお店では写真の仏壇が置かれています。
ベトナムに来られた方は1度は目にされているかと思います。
ベトナムにおいて商売(オフィスや店舗営業)をする場合は、この慣習は必ずやるべきものとされています。
ただし、実際にベトナムの仏壇に関する情報を日本語で探しても詳しい内容が全く出てきません・・・。
そこで今回はこのベトナムの仏壇について、
- この仏壇にはどのような供物をお供えすればいいのか
- 祀り方やタブーなどはあるのか
といったの正しい仏壇の「祀り方」をこれらに詳しいベトナム人の店舗マネージャー様2名様と日本人のベトナム店舗経営者様1人にお聞きし、その内容を私なりにまとめました。
今回はその内容を解説したいと思います。
これからベトナムでお店を出される方は必見です!
ベトナムの仏壇には2種類あります
- 自宅に置く建物や先祖や土地や仏壇
- 店舗1Fに置く商売の仏壇
この二種類です。
まずは建物や先祖や土地の仏壇から
こちらが先祖・土地の仏壇。
建物を守るための仏壇と言えるでしょう。
このような内容です。
こちらはスタッフの自宅にある仏壇。
このような祀り方をします。
お店に置く小さな仏壇
今回ご紹介するのはこちらのどんなハノイの店舗に置いてある商売の仏壇です。
このようにベトナムのお店には必ず仏壇が安置されています。
中に安置されている像は、
- Thần tài ( 富の神):たくさんお金を持って入ってくれる神様。武財神の関羽ですね。
- Thổ địa ( 土地の神様):その土地を守っている神様。福德正神という神様ですね。
毎月旧暦の1日と15日の2回お供え物をします
慣習として毎月「旧暦」の1日と15日の2回お供え物をします。
※厳密に旧暦に合わせてやられていない方もいらっしゃるようです。
旧暦が分からない方におすすめなのが、旧暦アプリ「Lich Viet」です。
またはこちらでも確認出来ます。
どんなものをお供えすればいいの?
ではどんなものをお供えすればいいのでしょうか。
基本的には、お花、飲み水、果物、お菓子をお供えします。
では具体的に見ていきましょう。
- hả lụa:豚肉で作られたベトナム料理のソーセージ
- cách nấu xôi:ゾイと呼ばれるベトナムのもち米ですね。供えたその日に取って食べる。
- hoa cúc vàng:菊の花ですね。奇数になるように。お花は枯れたら交換。
- 水(お猪口5つ):毎日交換します。
- ビンのお酒や缶ジュース:一年に一回程度の交換でOK
- 果物:奇数になるように。腐りそうなら取って食べる。ぶどうなど小さいのは沢山あってもOK。
- お菓子:奇数になるように。わるくなるまえにいただく。
- お線香:毎日朝に三本、夜に一本、良いことがあった日に一本、ついてない日も一本。
- 冥銭(Vàng mã)
- 3つの瓶:右はお塩、真ん中は水、左はお米を入れます。
では具体的に補足な必要なお供え物を見ていきましょう。
お線香
お線香は仏壇には大事なものですね。
このお線香は毎日(毎回)行うというのがポイントです。
- 朝まず3本をお線香をつけます。
- 次に夜に1本お線香をつけます。
合計4本です。
お線香などは毎回必要です。
仏壇の横に置いておきます。
冥銭(Vàng mã)
これは冥銭(めいせん)と呼ばれる副葬品の1つですね。
よくベトナムの道端でお金を模した紙を燃やしている光景を見かけた方がいらっしゃるかと思いますが、まさにあれがこの冥銭(Vàng mã)ですね。
冥銭を燃やす①窯
ではどこで燃やせばいいのかといいますと、これもよくベトナムの路上にあるのですが、「lư đốt vàng mã chung cư」と呼ばれる窯が至るところにあります。
お店の前の道路脇で燃やしている光景をよく見ますが、あれをやらなくてもここで燃やすことができます。
例えば、寺院などでよく見かけますね。そこを利用するのも有りです。
実際に冥銭を燃やされている方々がいらっしゃいました。
お!木の棒を使っていますね。
こんな感じです。
冥銭を燃やす②でかい鍋
こちらは道路でやられています。
鉄製の鍋のようなものの中に入れて燃やしています。
お!熱そう!
冥銭を燃やす③バケツ
こんな感じでバケツに入れてやられている方もいます。
鉄製のバケツです。
こんな感じに入れていきます。
冥銭を燃やす④何も無し(推奨しない)
私もやってみました。
こんな感じです。
冥銭を燃やす⑤小さなボール
このように燃やす用の固い入れ物があると便利です。
冥銭を燃やす⑥ミニ焼却ボックス
小さな焼却ボックス発見です。
果物
お花や果物は当たり前ですが枯れたり、傷んだら変えます。
数は奇数になるようにしましょう。
菊の花
基本的には菊の花をお供えします。
日本でも菊の花を仏花として古来から利用されてきました。
また、菊の花は長持ちし邪気を払うとされています。
こちらも奇数になるように注意しましょう。
もちろん菊以外の花でもOKです。
このような別の花でもOK。
また、ドライフラワーをお供えされている方もいます。
※二ヶ月に一回程度交換で済むためです。
どこで買えるの?
冥銭は市場やVinmartなどのスーパーで買うことができます。
市場で買ってみよう
仏壇の品々は市場で売られています。
冥銭や蝋燭や線香など一通り揃っています。
種類も豊富!
1つ約20000vnd〜30000vndです。
100円〜150円ほどですね。
こちらが冥銭。
お札を模した供物です。
1つ10000VND〜20000VNDです。
50円〜100円です。
線香2セットと冥銭2セットを購入。
合計70,000VNDのお買い上げ。
後でお菓子も購入して一緒に仏壇に捧げたいと思います。
市場ではよく売られていますね。
おばあさんが果物と合わせてお線香や冥銭(Vàng mã)を販売していますのでぜひ行ってみて下さい。
ただ、注意しなければいけないのは、旧市街や外国人が多いエリアの場合、高めの値段を請求される可能性があります。こちらは大きなVinmartなどでも販売されていますので、不安な方はそちらで購入することをおすすめします。
Vinmartで買ってみよう
1つ13,900VND!確かに市場より安い。
お祈りの方法
- お線香を刺した後、自分の祈りを唱えます。
- 終わりましたら3回ぐらいお辞儀します。
お祈りのタイミングは朝がベスト
朝(7時から9時の間)がベストです。
※難しければ午前中の間であれば大丈夫です。
お祈りの時の注意事項
- お祈りをする際にはできれば、神様が入れるように、窓やドアを開けて行って下さい。
- 果物や仏花の数は「3、5、7、9、11」などの奇数にする。偶数にはしないようにしましょう。
実際に私も教えていただいた内容でやってみました
こちらがハノイの弊社ビル1Fにある仏壇です。
部屋の隅にあったので、さすがに神様に申し訳ないと思い入り口近くに移動です。
- 冥銭をお供え
- 線香をお供え
- お菓子をお供え
- 果物をお供え
- 花をお供え
- 埃を掃除
- 場所を移動
- 壺にあった塩とお酒を交換
など諸々と対応しました。
このベトナムの仏壇ルールは本当に奥が深いんです!
掃除・メンテナンスの注意点
注意点をいくつかお話します。
- 仏壇を拭く時は汚れた雑巾などは使わないこと。綺麗な布で
- 赤いお酢のような拭く専用の液体がある
- 新しい綺麗な布巾を使って綺麗にすること
- 電球などきれていたらできるだけ早めに交換すること
- 旧暦1日と15日には使った後の線香を交換
- テト明けは線香を掃除する
- 仮に何か人から頂いたら、自分が頂く前に仏壇に供える。その後頂く際に線香を指して頂く。(日本も同じですね)
- 小瓶には塩とお酒を入れる
- 電球が切れていたら早めに交換する
- 自分の五行思想に合う仏壇を選択し配置する(相性)
以上が注意点です!
安置する方向について
- 配置は後ろ側が壁になるようにした方が良い
- 後ろ側に水槽などが来ないように注意
- 店舗の住所基準に、南東もしくは東向きになるように置いたほうが良い
- 南西〜北向きにならないとように注意
- 入り口から近い場所、直ぐに目に付く場所が望ましい
- 五行思想的にお店の向きからみて左側に安置した方が良い(水やお金の気は左から反時計回りに流れるため)
こんなに色々とルールがあるんです!
奥が深いですね。
お線香はいつ回収すればいいの?
写真のようにお線香は沢山溜まっていきます。
いつ回収すればいいのでしょうか。
実はお線香には回収する日が決まっています。
溜まったら取って良いわけではありませんので注意です。
旧暦の12月23日にお線香を回収します
結論から言えば、線香を取るタイミングは旧暦の12月23日です。
注意点
- 線香を取るのは身内の誰が行っても問題ないですが、回収する前にシャワーを浴びた方が良いそうです。
- 出来れば大家さんがやるのが一番良いみたいですね。
- また、家族じゃない人に依頼しない方がいいそうです。
- 仏壇に現金は置かない方がいいそうです。※神々はお供えしか受けられないため
お線香回収の流れ
- 家を全て掃除し綺麗にしてから、全部ドアを開けます。
- 次にお花、飲み水、果物、お菓子等を準備します。
- 大家さん(回収する人)は神様に線香回収の許可を求める為に、線香に火をつけ、先祖や神々に祈ります。※この許可を求めないと「失礼」なことになるそうです。
- 仏壇のお供え物などを片付け、きれいにホコリなどを掃除します。※お供え物は綺麗な所に置きましょう。壊さないように気を付けてください。また、お掃除する水は生姜水で行います。綺麗なタオルで拭きましょう。
- 綺麗な手で線香を回収しましょう。
- ここがポイントですが、線香は奇数(3、5本等)ぐらい残しましょう。※回収した線香は全部燃して灰は川に捨てます。
- 片付けたお供え物を仏壇に戻します。
- 最後に「線香回収が無事終りました」と先祖や神々に祈り報告します。
出典:CÁCH RÚT CHÂN NHANG BÀN THỜ THẦN TÀI NHƯ THẾ NÀO LÀ ĐÚNG
まとめ
- 朝お線香を3本、夜に1本。
- お祈りは朝7時〜9時の間に行う。お祈りをする際にはできれば、神様が入れるように窓やドアを開けて行って下さい。
- 水は毎日交換する
- 供物(花やお菓子や果物やもち米)は1日と15日に月に2回交換。奇数になるように供える。
- 花は枯れたら回収。果物はわるくなるまえにいただく。もち米はその日にいただく。お菓子もわるくなるまえにいただく。
- お酒やジュースは年に1回交換
- 冥銭は旧暦の1日と15日に指定の場所で燃やす。これらは市場やビンマートなどの大きなスーパーで売っている
- 仏壇の赤い電球は、お店が営業開始する朝に点灯。営業終了時に消灯。
- 仏壇は東向きか東南向きに安置。
- 後ろが壁になるように安置。
- 掃除の際には雑巾は使わず、綺麗な布を使う。
- 電球がきれていたら交換する。
- 小瓶には塩とお酒を入れておく。
ベトナムの仏壇の祀り方いかがでしたでしょうか。
この祀り方に詳しい方に教えていただいたこととしては、ベトナムでしっかりと経営をされている方々は必ずこの習慣を守り「商売の神様」をしっかりと祀っているという点です。
私も毎日のルーティーンとなるように心がけていきたいと思います。
ぜひご参考にしてみて下さい!
コメントを残す